日本の会社設立 実態データ
日本では年間どれだけの会社が設立され、どんな法人格が選ばれているのか——。 帝国データバンク・東京商工リサーチ・国税庁の公開調査をもとに、 「新設法人数・法人格別・地域別・起業年齢・法人のストック」の切り口でグラフとともに整理しました。 「新設法人」と「設立登記件数」は集計の母集団が異なるため、各数値は必ず調査名とあわせてご覧ください。 数字はすべて出典付きで、各調査の原典にもとづいています。
データ時点:2026-06-16|本ページは公開された複数の調査を整理した二次的なまとめです。
「新設法人」(民間調査)と「設立登記の件数」(法務省 登記統計)は母集団・集計方法が異なるため、異なる調査の数値を単純に比較・合成することはできません。 各数値は必ず調査名とあわせてご覧ください。横棒グラフは、単位が%のものはバーの塗りが割合を表し、件数・金額のものは最大値を基準とした項目間の相対表示です。
新設法人数|2024年は15.4万社で過去最多
2024年に新しく設立された法人(新設法人)は15万3,789社で、前年から0.6%増えて過去最多を更新した。会社設立の件数は、長期的に増加の基調が続いている。
2024年の新設法人数
153,789社
前年比+0.6%(+879社)。調査開始以来の過去最多を更新した。
出典:帝国データバンク「2024年 新設法人動向調査」(2024年(2025年5月公表))
長期トレンド
10年前比 約1.4倍
新設法人数は長期的に増加基調。会社設立の件数は10年単位で見ると大きく伸びている。
出典:帝国データバンク「2024年 新設法人動向調査」(2024年(2025年5月公表))
数字の読み解き
まず押さえたいのは、「新設法人」と「会社設立登記の件数」は近いが同じではない、ということだ。ここで採用した帝国データバンクの新設法人動向調査は、同社の企業データベースに新たに収録された法人をベースに集計している。法務省の登記統計(設立登記の件数)とは集計の母集団が異なるため、数字を引用するときは「どの調査の数値か」をあわせて示すと誤解が起きにくい。
2024年の15万3,789社は、調査開始以来の過去最多。前年比こそ+0.6%と小幅だが、10年単位で見ると新設法人はおおむね右肩上がりで、会社をつくる動き自体は底堅い。インボイス制度を機に個人事業主が法人化する動きや、設立手続きの簡素化が、件数を下支えしているとみられる。
法人格別|4社に1社超が「合同会社」に
新設法人の内訳は、株式会社が10万868社で約3分の2。一方で合同会社が4万2,133社(前年比+4.4%)まで伸び、新設法人の4社に1社超を占めるようになった。
法人格別の構成比(2024年)
残りは一般社団法人やその他の法人格。株式会社10万868社・合同会社4万2,133社。
出典:帝国データバンク「2024年 新設法人動向調査」(2024年(2025年5月公表))
合同会社の新設数
42,133社
前年比+4.4%。新設法人の4社に1社超が合同会社という水準に達した。
出典:東京商工リサーチ「2024年 合同会社の新設法人」(2024年(2025年公表))
数字の読み解き
会社設立というと株式会社をイメージしがちだが、足元では合同会社の存在感が増している。2024年の構成比は株式会社が約65.6%、合同会社が約27.4%。合同会社は2023年に初めて年間4万社を超え、いまや新設法人の4社に1社超だ。
合同会社が選ばれる理由ははっきりしている。設立時に定款の認証が要らず、設立費用が株式会社より安い。決算公告の義務もない。こうした手軽さとコストの低さが、個人事業主の法人化や小規模スタートの受け皿になっている。「まず合同会社で始め、必要になったら株式会社へ組織変更する」という選択も現実的だ。
会社をつくる前に、費用と資金調達を固める
新設法人は過去最多でも、黒字化できるのは約4割。設立後の資金繰りでつまずかないために、 設立費用の試算と、創業期に使える融資の見通しを先に立てておくのが現実的です。
地域別|東京一極集中、最多は4.8万社
新設法人は都市圏に集中している。都道府県別で最多は東京都の4万7,779社で、これだけで全国の新設法人の約3割を占める。
東京都の新設法人数(全国最多)
47,779社
前年比+2.5%で過去最多。全国の新設法人の約3割が東京都に集中している。
出典:帝国データバンク「東京都 2024年 新設法人動向調査」(2024年(2025年公表))
数字の読み解き
会社設立の地理的な偏りは大きい。2024年に新設法人が最も多かったのは東京都で4万7,779社、前年比+2.5%で過去最多を更新した。全国15万社強のうち、およそ3社に1社が東京での設立という計算になる。
背景には、本社機能・取引先・人材・資金の集積がある。一方で、バーチャルオフィスやクラウドサービスの普及により「東京に住所だけ置く」設立も一定数含まれるとみられる。地方で起業する場合は、創業融資や自治体の創業支援制度を含め、地域ごとの支援メニューを確認しておきたい。
起業の年齢|代表者の平均は48.4歳
新設法人の代表者の平均年齢は48.4歳で、前年から0.7歳上昇し、2000年以降で最も高くなった。会社設立は、若年層だけでなく中高年の起業に支えられている。
新設法人 代表者の平均年齢
48.4歳
前年の47.7歳から0.7歳上昇し、2000年以降で最高齢を更新(速報値)。
出典:帝国データバンク「2024年 新設法人動向調査」(2024年(2025年5月公表))
数字の読み解き
「起業=若者」というイメージとは異なり、新設法人の代表者の平均年齢は上昇を続けている。2024年は48.4歳で2000年以降の最高齢。定年前後の50〜60代での起業が増えていることが、平均年齢を押し上げている。
セカンドキャリアとしての起業や、勤務先で培った専門性を活かした独立が広がっているとみられる。年齢に関わらず、開業時の資金調達や事業計画の準備は共通の関門になる。自己資金が十分でない場合は、創業期に使える融資制度を早めに把握しておくと、設立後の資金繰りに余裕が生まれる。
法人のストック|全法人は約296万社・黒字は4割
これまでに設立され存続している法人の総数は、令和5年度(2023年度)時点で295万6,717社。11年連続で増えている。一方、申告で黒字なのは約4割にとどまる。
全法人数(令和5年度)
2,956,717社
11年連続で増加。これまでに設立され存続している法人のストック総数。
出典:国税庁「令和5年度分 会社標本調査」(令和5年度(2025年4月公表))
黒字申告法人の割合
39%
全体の約4割
残る約61.0%は赤字申告。設立後に黒字化を実現できている法人は4割にとどまる。
出典:国税庁「令和5年度分 会社標本調査」(令和5年度(2025年4月公表))
数字の読み解き
毎年の新設法人(フロー)が積み上がった結果、いま日本に存在する法人(ストック)は約296万社にのぼる。国税庁の会社標本調査では11年連続で法人数が増加しており、会社を「つくる」動きが「たたむ」動きを上回り続けていることがうかがえる。
ただし、つくった会社のすべてが利益を出しているわけではない。申告ベースで黒字なのは全体の約39.0%で、約6割は赤字申告だ。設立はゴールではなくスタートにすぎない。設立前に費用と資金調達の見通しを立て、設立後の資金繰りを早く軌道に乗せることが、存続のうえで効いてくる。
このデータが示すこと
- 1
会社設立は増え続け、新設法人は過去最多
2024年の新設法人は15万3,789社で調査開始以来の最多。インボイス制度を機にした法人化や手続きの簡素化が件数を下支えしている。
- 2
4社に1社超が「合同会社」になった
株式会社が約65.6%で主流だが、設立費用が安く定款認証も不要な合同会社が約27.4%まで拡大。法人格の選び方が変わってきている。
- 3
設立はゴールではない——黒字は約4割
全法人約296万社のうち、申告で黒字なのは約39.0%。東京一極集中・起業年齢48.4歳という分布もふまえ、設立前の資金計画が存続を左右する。
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出典一覧
本データの引用について
本ページの数値は、出典として記載した各調査を引用・整理したものです。引用される際は、本来の調査名(一次出典)を明記してください。 なお各数値の正確な定義・対象は、必ず各調査の原典をご確認ください。本ページは公開データをまとめた二次的な資料であり、独自調査ではありません。