Research Report / 調査データ

企業の生存率データ

起業した会社は、何年生き残るのか——。「10年で9割が倒産する」とよく言われますが、中小企業白書のデータはかなり違います。起業後の年数別生存率と国際比較を、出典付きで整理しました。

出典:中小企業庁「中小企業白書(2017年版)」年次の生存率は帝国データバンク「COSMOS2(企業概要ファイル)」ベース。国際比較は同白書コラム2-1-2(英国=ONS/仏=Eurostat等)。10年後は2011年版白書ベース。 最終更新 2026-06-22

95.3%

起業から1年後の生存率

設立して1年でやめる会社は20社に1社ほど。最初の1年の退出は意外と少ない

81.7%

起業から5年後の生存率

5社に4社超が5年後も存続。「5年で大半が消える」という印象とは異なる

約70%

起業から10年後の生存率(目安)

10年でおよそ3割が退出、残る約7割が事業を継続(中小企業白書2011年版ベース。2017年版には10年値の記載なし)

48.9%

米国の5年後生存率

日本81.7%に対し米国48.9%・英国42.3%・仏44.5%。日本の生存率はむしろ高い

俗説

「10年で9割が倒産」

広く言われるが、中小企業白書の生存率データとは大きく異なる。出典の確認が必要

起業後の年数別 生存率

単位:%(中小企業白書2017年版・帝国データバンクCOSMOS2)

1年後95.3%
2年後91.5%
3年後88.1%
4年後84.8%
5年後81.7%

起業後5年生存率|主要国の比較

単位:%(日本=帝国データバンク/英国=ONS/仏=Eurostat ほか)

日本81.7%
米国48.9%
フランス44.5%
英国42.3%

日本(強調表示)は主要国で最も高い。短期間で退出する企業の割合は欧米より少ない。

データの読みどころ

「起業はすぐ潰れる」は、データでは言いすぎ

中小企業白書(帝国データバンクのデータベースより)では、起業後の生存率は1年後95.3%、3年後88.1%、5年後81.7%。5年後でも5社に4社超が存続しており、「数年で大半が消える」という一般的な印象よりは高い。

国際的にも、日本の企業は生き残るほう

起業後5年の生存率を国際比較すると、日本81.7%に対し米国48.9%、フランス44.5%、英国42.3%。日本は欧米より高く、短期間で退出する企業の割合はむしろ少ない(国ごとに出典が異なる:日本=帝国データバンク、英国=ONS、仏=Eurostat)。

数字の前提に注意(生存バイアス)

これらは企業データベースに収録された法人をもとにした生存率で、調査の方法によって数値は変わる。たとえば個人事業所を含む古い調査(中小企業白書2006年版)では5年25.6%・10年11.6%と大幅に低い。「収録法人ベースの高めの数字」である点をふまえ、引用時は出典と対象範囲をあわせて確認したい。

よくある質問

Q. 起業して5年後に生き残っている企業の割合はどのくらいですか?

中小企業白書(2017年版・帝国データバンクのデータベースより)では、起業後5年の生存率は81.7%です。1年後95.3%、3年後88.1%で、5社に4社超が5年後も存続しています。

Q. 「10年で9割の会社が倒産する」は本当ですか?

これは俗説で、公的統計とは大きく異なります。中小企業白書系のデータでは1年後95.3%・5年後81.7%、10年後も約7割が存続しています。「9割が倒産」に確たる公的出典は確認できず、ベンチャー(VC投資先など特殊な母集団)の数字が一般化された可能性があります。

Q. 日本の企業生存率は海外より低いのですか?

むしろ高いほうです。起業後5年の生存率を国際比較すると、日本81.7%に対し米国48.9%、フランス44.5%、英国42.3%。日本は短期間で退出する企業の割合が欧米より少ない傾向です(中小企業白書2017年版・国別に出典は異なる)。

Q. 個人事業主の生存率も同じくらい高いのですか?

いいえ、対象範囲で大きく変わります。上記は企業データベースに収録された法人ベースの数字で、個人事業所を含む古い調査(中小企業白書2006年版)では5年後25.6%・10年後11.6%と大幅に低い結果でした。引用の際は対象範囲を必ず確認してください。

Q. このデータの出典はどこですか?

中小企業庁「中小企業白書」です。年次の生存率(1〜5年)は2017年版(帝国データバンクCOSMOS2)、10年後は2011年版、個人事業を含む比較は2006年版に基づいています。

出典一覧

本データの引用について

数値は中小企業庁「中小企業白書」の公表値です。生存率は調査の対象範囲(法人のみか個人事業を含むか)や年版で大きく変わります。引用される際は、本来の出典である中小企業白書と対象範囲を明記してください。

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