業種別 開業率ランキング
起業の動きが活発なのは、どの業種か——。 厚生労働省「雇用保険事業年報」が公表する産業別の生データ(事業所数)から、 当サイトが業種ごとの開業率を独自に算出しました。 単純なランキングだけでなく、開業率と廃業率の両面から各業種を「4タイプ」に整理しています。
この集計について
- 生データ:厚生労働省「雇用保険事業年報」第1表 雇用保険産業別適用状況〔適用事業所〕(令和6年度(2024年度))
- 計算式:開業率(%)= 新規適用事業所数 ÷ 適用事業所数(年度月平均)× 100。廃業率は廃止事業所数を同じ分母で割って算出。
- 第1弾との整合:「都道府県別 開業率ランキング」と同一の統計・年度・手法による業種別の断面です。全国計(新規89,215/廃止89,069)が都道府県表と完全一致することを確認済み。
- ランキングの範囲:「公務」「分類不能の産業」は事業の開業という観点になじまないため、ランキング・4タイプ分類からは除外しています(全国計には含まれます)。
- 注意:これは雇用保険にもとづく「従業員を雇う事業所」の指標です。従業員を雇わない一人の個人事業主の開業は含まれません。
全産業の開業率
3.8%
廃業率 3.7%
開業率が最も高い業種
6.7%
宿泊業,飲食サービス業
開業率が最も低い業種
0.4%
複合サービス事業
開業率×廃業率でみる4タイプ
開業率の高さ(起業の活発さ)と廃業率の高さ(退出の多さ)を、全産業の平均 (開業率 3.8% / 廃業率 3.7%)を境に組み合わせ、各業種を4タイプに分類しました。 上段ほど開業が活発、左列ほど廃業が少ない業種です。
成長型
4業種開業率が平均より高く、廃業率は平均より低い。事業所の数が増えやすい業種。
- 農業,林業開 5.8 / 廃 3.2
- 不動産業,物品賃貸業開 5.0 / 廃 3.6
- 漁業開 4.3 / 廃 3.1
- 医療,福祉開 3.8 / 廃 2.9
新陳代謝型
5業種開業率・廃業率がともに平均より高い。担い手の入れ替わりが活発な業種。
- 宿泊業,飲食サービス業開 6.7 / 廃 5.8
- 生活関連サービス業,娯楽業開 5.4 / 廃 4.9
- 情報通信業開 5.0 / 廃 4.3
- 学術研究,専門・技術サービス業開 4.6 / 廃 4.0
- 建設業開 3.8 / 廃 3.9
安定型
8業種開業率・廃業率がともに平均より低い。顔ぶれが変わりにくい業種。
- サービス業(他に分類されないもの)開 3.7 / 廃 3.3
- 教育,学習支援業開 3.7 / 廃 3.1
- 電気・ガス・熱供給・水道業開 3.2 / 廃 3.4
- 運輸業,郵便業開 2.5 / 廃 2.9
- 金融業,保険業開 2.2 / 廃 2.9
- 製造業開 1.4 / 廃 3.3
- 鉱業,採石業,砂利採取業開 0.7 / 廃 2.9
- 複合サービス事業開 0.4 / 廃 0.9
縮小型
1業種開業率が平均より低く、廃業率は平均より高い。事業所の数が減りやすい業種。
- 卸売業,小売業開 3.3 / 廃 4.1
業種別 開業率ランキング
令和6年度(2024年度)・開業率の高い順(日本標準産業分類の大分類)。バーの長さは最も高い業種を基準とした相対表示で、正確な数値は各行の数字をご覧ください。
- 1宿泊業,飲食サービス業新陳代謝型6.7%
新規 10,567所 ÷ 適用 157,992所 ・ 廃業率 5.8% ・ 開廃業の差 +0.9pt
- 2農業,林業成長型5.8%
新規 1,827所 ÷ 適用 31,679所 ・ 廃業率 3.2% ・ 開廃業の差 +2.6pt
- 3生活関連サービス業,娯楽業新陳代謝型5.4%
新規 6,016所 ÷ 適用 111,635所 ・ 廃業率 4.9% ・ 開廃業の差 +0.5pt
- 4不動産業,物品賃貸業成長型5.0%
新規 3,476所 ÷ 適用 68,908所 ・ 廃業率 3.6% ・ 開廃業の差 +1.5pt
- 5情報通信業新陳代謝型5.0%
新規 3,478所 ÷ 適用 69,490所 ・ 廃業率 4.3% ・ 開廃業の差 +0.7pt
- 6学術研究,専門・技術サービス業新陳代謝型4.6%
新規 7,988所 ÷ 適用 174,159所 ・ 廃業率 4.0% ・ 開廃業の差 +0.6pt
- 7漁業成長型4.3%
新規 178所 ÷ 適用 4,137所 ・ 廃業率 3.1% ・ 開廃業の差 +1.2pt
- 8医療,福祉成長型3.8%
新規 10,804所 ÷ 適用 282,076所 ・ 廃業率 2.9% ・ 開廃業の差 +1.0pt
- 9建設業新陳代謝型3.8%
新規 16,661所 ÷ 適用 435,468所 ・ 廃業率 3.9% ・ 開廃業の差 −0.1pt
- 10サービス業(他に分類されないもの)安定型3.7%
新規 7,535所 ÷ 適用 204,846所 ・ 廃業率 3.3% ・ 開廃業の差 +0.4pt
- 11教育,学習支援業安定型3.7%
新規 1,500所 ÷ 適用 40,811所 ・ 廃業率 3.1% ・ 開廃業の差 +0.6pt
- 12卸売業,小売業縮小型3.3%
新規 12,354所 ÷ 適用 377,836所 ・ 廃業率 4.1% ・ 開廃業の差 −0.8pt
- 13電気・ガス・熱供給・水道業安定型3.2%
新規 87所 ÷ 適用 2,690所 ・ 廃業率 3.4% ・ 開廃業の差 −0.1pt
- 14運輸業,郵便業安定型2.5%
新規 2,000所 ÷ 適用 80,044所 ・ 廃業率 2.9% ・ 開廃業の差 −0.4pt
- 15金融業,保険業安定型2.2%
新規 539所 ÷ 適用 24,919所 ・ 廃業率 2.9% ・ 開廃業の差 −0.8pt
- 16製造業安定型1.4%
新規 3,556所 ÷ 適用 256,763所 ・ 廃業率 3.3% ・ 開廃業の差 −1.9pt
- 17鉱業,採石業,砂利採取業安定型0.7%
新規 14所 ÷ 適用 2,067所 ・ 廃業率 2.9% ・ 開廃業の差 −2.2pt
- 18複合サービス事業安定型0.4%
新規 142所 ÷ 適用 33,621所 ・ 廃業率 0.9% ・ 開廃業の差 −0.5pt
数字の読み解き
業種を開業率と廃業率の両面でみると、4つのタイプに分かれる。開業がもっとも活発なのは「新陳代謝型」——宿泊業・飲食サービス業や情報通信業など、 開業率も廃業率もともに高く、担い手が活発に入れ替わる業種だ。参入しやすい一方で、競争も激しい。
「成長型」は、開業が多く廃業が少ない業種。医療・福祉や不動産業などがあたり、事業所の数が増えやすい。 一方「安定型」は開業も廃業も少なく、製造業のように設備や許認可が要る業種が多い。顔ぶれが変わりにくいぶん、新規参入の余地は小さい。
開業率ランキングの上位には、小さな資本で始めやすい・経験やスキルをそのまま売りにできるサービス系の業種が並ぶ。 ただし開業率が高い業種は廃業率も高い傾向があり、「始めやすさ」と「続けやすさ」は別物だ。 起業する業種を選ぶときは、開業率の高さだけでなく、廃業率や開廃業の差(純増減)もあわせて見ておきたい。
出典とデータの作り方
データ時点:2026-05-22|本ページは公開された政府統計の生データを当サイトが独自に集計したものです。
各業種の「新規適用事業所数・廃止事業所数・適用事業所数」は 厚生労働省「雇用保険事業年報」第1表 雇用保険産業別適用状況〔適用事業所〕 の数値です。 開業率・廃業率は、この生データを上記の計算式で当サイトが算出しました。分母の適用事業所数は、年報の注記により年度の月平均値です。 統計の作成方法が異なるため、経済センサスなど他の調査による開廃業率とは数値が一致しません。
本データの引用について
開業率・廃業率の数値、および4タイプ分類は、厚生労働省「雇用保険事業年報」の生データをもとに当サイトが独自に算出・整理したものです。 引用される際は「Toolbox Portal 調べ(厚生労働省『雇用保険事業年報』をもとに独自集計)」と明記してください。 生データの正確な定義は、必ず原典をご確認ください。
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