一人社長・マイクロ法人の年間維持費
会社を1年維持すると、いくらかかるのか。売上ゼロでも逃げられない法定コストから、選び方で数十万円変わる経理コストまで、一人社長のマイクロ法人のランニングコストを一次情報で整理しました。下の試算で「あなたの構成ならいくらか」も出せます。
本ページは東京23区・資本金1,000万円以下・従業者50人以下・協会けんぽ(東京・令和8年度)を前提とした、2026年7月時点の公表情報にもとづく目安です。社会保険料は役員報酬の設定額で変わり、税理士顧問料・会計ソフト・バーチャルオフィスは各社の公表値の集約(相場レンジ)です。実際の金額は個別の条件で異なります。 最終更新 2026-07-11。
年 7万円
東京23区・資本金1,000万円以下。売上ゼロ・赤字でも毎年かかる最低ライン。
年 約13万円〜
役員報酬を最低水準に設定した場合の会社負担分の目安。報酬を上げると増える。
年 約24万円〜
均等割7万+社保(会社負担)約13万+会計ソフト約4万。自分で経理する前提の下限。
年 50〜100万円
記帳・決算・申告を丸ごと頼む場合の相場レンジ。自分でやれば0円(ソフト代のみ)。
あなたのマイクロ法人の年間維持費(かんたん試算)
4つ選ぶだけ。法人住民税の均等割 年7万円 は必ずかかる分として自動で加算します。金額は上記データにもとづく目安です。
役員報酬・社会保険は?
経理・申告はどうする?
登記の住所は?
法人口座は?
年間維持費のおおよその目安
24万円〜30万円
うち「必ずかかる分」は 均等割 年7万円 + 社会保険(会社負担)。残りは選択で変わります。
※目安です。社会保険料は役員報酬の設定額で変わり、顧問料・会計ソフト・バーチャルオフィスは各社の公表値の集約(相場レンジ)です。実額は個別条件で異なります。
1. 必ずかかる法定コスト|赤字でも逃れられない
一人社長のマイクロ法人でも、売上や利益に関係なく毎年かかる法定コストがあります。ここは「削れない下限」です。
資本金1,000万円以下・従業者50人以下の最低額。全国共通で道府県分2万円+市町村分5万円=7万円。東京23区は都民税として一括で納め、内訳は都民税均等割1,000円+特別区分69,000円。赤字でも必ずかかります。
東京都主税局「法人事業税・法人都民税」役員報酬を取る一人社長は健康保険・厚生年金に強制加入。令和8年度・東京の料率は健康保険9.85%・介護保険1.62%(40〜64歳)・厚生年金18.3%(いずれも労使合計で、会社負担はその半分)。標準報酬月額の下限は健康保険が58,000円、厚生年金が88,000円と異なり、報酬を最低水準にしても厚生年金は88,000円等級が下限です。会社負担は月 約1.1万円=年 約13万円が目安(介護保険ありで年 約13.7万円)。報酬を上げるほど増えます。
全国健康保険協会「令和8年度 保険料額表(東京)」「会社を作ると、たとえ1円も稼いでいなくても毎年7万円」。これが法人住民税の均等割で、一人社長が最初に驚くコストです。休眠にしない限り、赤字でも払い続けます。
社会保険は「一律いくら」とは言えないのが注意点です。役員報酬をいくらに設定するかで保険料が動くためで、上の約13万円はあくまで報酬を最低水準に張り付けた場合の会社負担の下限。多くの一人社長はもう少し高い報酬を取るので、実額はこれより上になります。
2. かかることが多いコスト|経理をどうするかで大きく変わる
ここは選択で金額が大きく変わる領域です。とくに「税理士に頼むか、自分で会計ソフトを使うか」が、年間維持費の最大の分かれ道になります。
一人法人向けの最廉価プランで、freee会計「ひとり法人」が年 約35,760円、マネーフォワード クラウド会計「スモールビジネス」が年 約59,136円(税込)など。弥生は「弥生会計 Next」への切替で初年度無料プランもあります。税込・税抜や年払い・月払い、機能で前後します。
freee会計 料金プラン(新設法人)小規模法人の月額顧問料は月1〜5万円台、決算申告料は15〜30万円が目安。年間トータルで50〜100万円程度が相場レンジです(依頼範囲による)。税理士報酬は2002年に自由化され公的な相場統計はないため、各事務所の公表値の集約です。自分で記帳・申告すれば0円(会計ソフト代のみ)。
マネーフォワード クラウド 料金プラン年間維持費を一番大きく動かすのは、実は税金でも社保でもなく「税理士に頼むかどうか」です。丸ごと頼めば年50〜100万円、自分でクラウド会計を使えば年3.5〜9万円。その差は年40万〜90万円にもなります。
とはいえ「安いから全部自分で」が正解とは限りません。取引がシンプルなうちは会計ソフトで自分で回し、判断が複雑になったら決算・申告だけスポットで頼む、という段階的な使い分けが現実的です。
3. 事業によってかかるコスト|住所と口座
自宅を本店にする・ネット銀行を使う、といった選び方次第でゼロにもできる領域です。
住所のみなら月300〜1,000円台、法人登記+郵便転送込みで月1,500〜3,500円が中心。自宅を本店にすれば0円ですが、自宅住所が登記簿で公開される点とのトレードオフです。バーチャルオフィス登記は合法ですが、口座開設審査や一部の許認可業種で不利になる場合があります。
GMOあおぞらネット銀行「法人口座の維持費」GMOあおぞらネット銀行・住信SBIネット銀行などネット銀行は口座維持手数料0円が主流。メガバンクの法人向けインターネットバンキングは月1,000〜3,000円かかる場合があります。振込手数料は別途(1件90〜160円程度)。
GMOあおぞらネット銀行「法人口座の維持費」住所と口座は「こだわらなければ実質ゼロ円」にできる領域です。自宅本店+ネット銀行なら維持費はかかりません。信用や住所非公開を優先するなら、バーチャルオフィスやメガバンクのコストを上乗せして考えます。
維持費を下げる:経理をどう回すか
年間維持費を一番大きく動かすのは経理です。取引がシンプルなうちは、クラウド会計ソフトで自分で回せば税理士顧問料(年50〜100万円)を丸ごと節約できます。まずは会計ソフト、判断が複雑になったら決算・申告だけスポットで税理士に、という順番が現実的です。会計ソフトの選び分けは 会計ソフト比較 2026 も参考にどうぞ。
「決算だけ・スポットで頼みたい」「今の顧問料が高い気がする」なら、税理士マッチングで自社の規模に合う相手を無料で探せます。相場を知って相見積もりを取るだけでも、顧問料の払いすぎを防げます。
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よくある質問
Q. 一人社長のマイクロ法人は、年間いくらで維持できますか?
自分で経理をする最低構成なら、年 約24万円〜が目安です。内訳は、赤字でも必ずかかる法人住民税の均等割7万円+社会保険料の会社負担(報酬を最低水準にした場合)約13万円+会計ソフト約4万円。税理士に丸ごと依頼する場合は、これに年50〜100万円が上乗せされます。
Q. 赤字でも毎年かかる費用は何ですか?
法人住民税の均等割です。東京23区・資本金1,000万円以下なら年70,000円で、売上ゼロ・赤字でも必ずかかります。全国共通で道府県分2万円+市町村分5万円の合計7万円が最低ラインです(東京23区は都民税として一括で納付)。
Q. 一人社長でも社会保険(健康保険・厚生年金)に入らないといけませんか?
役員報酬を取る場合は強制加入です。令和8年度・東京の料率は健康保険9.85%・厚生年金18.3%(労使合計、会社負担はその半分)。標準報酬月額の下限は健康保険58,000円・厚生年金88,000円で、報酬を最低水準にしても会社負担で年約13万円が目安です。報酬を上げるほど保険料も増えます。
Q. 維持費を下げるには、どこを削るのが効きますか?
一番大きいのは「税理士に頼むか、自分で会計ソフトを使うか」です。丸ごと依頼で年50〜100万円、自分でクラウド会計を使えば年3.5〜9万円で、差は年40万〜90万円。取引がシンプルなうちは会計ソフトで自分で回し、複雑になったら決算・申告だけスポットで頼む使い分けが現実的です。住所(自宅本店)と口座(ネット銀行)はゼロ円にできます。
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出典(一次情報)