登録免許税の計算 2026|会社設立・資本金別の早見表と登記種類別一覧
【重要】 本記事は2026年現在の法令および実務慣行に基づき、一般的な登記手続きにおける登録免許税の計算方法を解説したものです。実際の登記申請にあたっては、個別の事情により軽減措置の適用可否や税額が異なる場合があります。正確な判断が必要な場合は、必ず管轄の法務局への確認、または司法書士などの専門家への相談をご検討ください。
会社設立の登録免許税はいくら?|資本金別 早見表
最も多い疑問が「会社を設立するときの登録免許税はいくらか」です。結論はシンプルで、資本金の額 × 0.7% で計算し、それが下限額を下回る場合は 下限額 を納めます。
- 株式会社の設立:資本金 × 0.7%(最低15万円)
- 合同会社の設立:資本金 × 0.7%(最低6万円)
つまり資本金が一定額までは下限額で固定され(株式会社は資本金 約2,143万円、合同会社は約858万円まで下限額)、それを超えると 0.7% が効いてきます。資本金別の早見表は次のとおりです。
| 資本金 | 株式会社の登録免許税 | 合同会社の登録免許税 |
|---|---|---|
| 100万円 | 15万円 | 6万円 |
| 300万円 | 15万円 | 6万円 |
| 500万円 | 15万円 | 6万円 |
| 1,000万円 | 15万円 | 7万円 |
| 2,000万円 | 15万円 | 14万円 |
| 3,000万円 | 21万円 | 21万円 |
※ 会社設立(設立登記)の登録免許税。課税標準額(資本金)は1,000円未満切り捨て、税額は100円未満切り捨て。資本金1,000万円の株式会社は 1,000万×0.7%=7万円だが、下限15万円が適用されます。
自分の資本金での設立費用全体(登録免許税+定款認証・電子定款の有無など)は 法人設立コスト計算ツール で試算できます。設立後の本店移転・増資など登記種類別の税額は、以下で続けて解説します。
登録免許税とは|登記申請に伴う「国税」の概要
登録免許税とは、不動産や船舶の登記、航空機の登録、そして株式会社や合同会社の商業登記などを行う際に課される国税です。
会社が本店を移転したり、新しく役員を選任したりして法務局へ登記申請を行う場合、その「手続きの手数料」という側面以上に、公的な権利や事実の登録に対する対価として税金を納める義務が生じます。
商業登記における登録免許税の法的根拠は、主に登録免許税法 別表第一の二十四号に規定されています。この表には、どのような登記に対していくらの税率または税額を適用するかが詳細に定められています。
【2026年版】主要な登記種類別の税額一覧
株式会社や合同会社の運営において頻出する登記の登録免許税は以下の通りです。税額には「一律の固定額(定額)」と「資本金等に比例する額(定率)」の2パターンが存在します。
| 登記の種類 | 登録免許税額(計算式) | 算出タイプ |
|---|---|---|
| 株式会社の設立 | 資本金の額×0.7%(最低15万円) | 定率 |
| 合同会社の設立 | 資本金の額×0.7%(最低6万円) | 定率 |
| 本店移転(管轄内) | 30,000円 | 定額 |
| 本店移転(管轄外) | 60,000円(旧管轄3万+新管轄3万) | 定額 |
| 資本金の額の増加(増資) | 増加した資本金の額×0.7%(最低3万円) | 定率 |
| 商号変更・目的変更 | 各30,000円 | 定額 |
| 役員変更(資本金1億円以下) | 10,000円 | 定額 |
| 役員変更(資本金1億円超) | 30,000円 | 定額 |
| 解散 | 30,000円 | 定額 |
| 清算結了 | 2,000円 | 定額 |
なお、同時に複数の登記を一つの申請書で申請する場合、それぞれの税額を合算して納付します。ただし、商号変更と目的変更のように、登録免許税法上の区分が同一であれば1件分(3万円)で済むといったケースもあるため、判断に迷う場合は事前の確認が推奨されます。
登録免許税の計算例|4つの具体的なケーススタディ
実際の登記申請を想定した計算例を4パターン紹介します。
ケース1:資本金300万円で株式会社を設立する場合
設立時の登録免許税は「資本金の0.7%」ですが、算出された額が15万円に満たない場合は、最低額の15万円が適用されます。
3,000,000円 × 0.7% = 21,000円 → 最低額の【150,000円】ケース2:資本金を1,000万円から2,000万円に増資する場合
増資の登記では「増加した資本金の額」に対して0.7%を乗じます。
(20,000,000円 - 10,000,000円) × 0.7% = 70,000円 → 【70,000円】詳しい増資の手続きについては、関連記事「資本金増資の手順と必要書類」もあわせてご確認ください。
ケース3:本店を渋谷区(東京法務局 渋谷出張所管轄)から新宿区(新宿出張所管轄)へ移転する場合
管轄外への本店移転では、旧管轄への申請と新管轄への申請がセットになるため、それぞれ3万円ずつ必要になります。
30,000円(旧管轄分) + 30,000円(新管轄分) = 【60,000円】ケース4:役員1名の変更と商号変更を同時に申請する場合(資本金500万円)
役員変更(1万円)と商号変更(3万円)のそれぞれを合算します。
10,000円(役員変更) + 30,000円(商号変更) = 【40,000円】当サイトの「登記書類ジェネレーター」なら、本店移転や増資の設定を入力するだけで登録免許税を自動算出。書類作成とセットでミスなく進められます。
登録免許税の納付方法|3つの主な手段
登録免許税の納付には、主に以下の3つの方法があります。申請の種類(オンライン申請か書面申請か)によって選択肢が異なります。
1. 収入印紙での納付(書面申請向け)
法務局へ直接出向く、または郵送で「書面申請」を行う場合に最も一般的な方法です。郵便局や法務局内の売店で税額分の収入印紙を購入し、「登録免許税納付用台紙(A4の白紙で可)」に貼り付けて申請書と綴じ込みます。
ポイント: 収入印紙に消印(割印)は行わないでください。消印は法務局側が行う事務処理のため、自分で消印してしまうと再提出を求められる可能性があります。
2. 電子納付(オンライン申請向け)
「登記・供託オンライン申請システム」を利用する場合、ペイジー(Pay-easy)を利用した電子納付が可能です。申請後にシステムから「納付情報通知」が届くため、インターネットバンキングやATMから納付します。
メリット: 高額な印紙を持ち歩く必要がなく、領収証書を紙に貼る手間も省けるため、事務効率が大幅に向上します。
3. 領収証書での納付(銀行振込)
税務署の指定した銀行などの金融機関窓口で、所定の納付書を使って現金で納付する方法です。納付後に発行される領収証書を台紙に貼り付けて、法務局へ提出します。
登録免許税の会計処理|仕訳と勘定科目
納めた登録免許税は経費として会計処理できます。勘定科目は「租税公課」(販売費及び一般管理費)を用いるのが一般的で、消費税の課税対象外(不課税)です。
例えば本店移転で3万円の登録免許税を現金で納付した場合の仕訳は次のとおりです。
(借方)租税公課 30,000 / (貸方)現金預金 30,000ただし、会社設立時の設立登記にかかる登録免許税は、定款認証費用などと合わせて「創立費」(繰延資産)として資産計上することも認められています。創立費は任意償却が可能で、開業初年度に全額を費用化することも、利益が出た年度に償却することもできます。節税の観点から処理方法を選べるため、設立費用については税理士に相談するのも有効です。
(借方)創立費 150,000 / (貸方)現金預金 150,000納付のタイミングと間違いを防ぐための注意点
登録免許税は、原則として登記申請のタイミングにあわせて納める必要があります。申請後に税務署から督促が来るような「後払い」の仕組みではありません。
- 申請後の追納は原則不可: 印紙の貼り忘れや納付不足がある状態で申請すると、補正(修正)の対象となるか、最悪の場合は申請が「却下」されます。
- 還付請求の仕組み: 多めに納付してしまった、あるいは申請を取り下げた場合には、還付請求を行うことで税金が戻ってきます。ただし、時効は5年であることに留意してください。
- 収入印紙の管理: 高額な収入印紙(10万円を超えるものなど)を購入する場合は、汚損や紛失に十分注意してください。
登録免許税の軽減措置と免税について
一定の要件を満たす場合に、登録免許税が軽減される措置が設けられていることがあります。
例えば、産業競争力強化法に基づく「特定創業支援等事業」の支援を受けた起業家が株式会社を設立する場合、登録免許税が資本金の0.7%から0.35%に軽減(最低額15万円→7.5万円)されるといった優遇措置が有名です。
ただし、これらの軽減を受けるには、市区町村の発行する証明書が必要になるなど、事前の準備が欠かせません。一般的な変更登記(本店移転や役員変更)では、こうした軽減措置が適用されるケースは稀ですが、大規模な組織再編やM&Aを伴う登記では税額が大きく変わる可能性があるため、注意深く確認することが推奨されます。
よくある落とし穴|登記申請で失敗しないために
実務上、登録免許税に関して間違いやすいポイントを整理しました。
- 端数処理のミス: 商業登記では、不動産登記と異なり「1,000円未満の端数切り捨て」という概念がありません。計算結果がそのまま税額となります(ただし、定率計算の結果が最低額を下回る場合は最低額を適用)。
- 管轄外移転の税額誤認: 「住所が変わるだけだから3万円」と誤認しがちですが、管轄の法務局が変わる場合は合計6万円が必要になる点を見落とさないようにしてください。
- 役員変更の区分間違い: 資本金が1億円を超えているかいないかで税額が1万円か3万円か分かれます。増資後に役員変更を行う場合などは、現在の資本金額を正確に把握しておく必要があります。
登録免許税に関するよくある質問(FAQ)
Q. 登録免許税をクレジットカードで支払うことはできますか?
法務局の窓口で直接カード決済をすることはできませんが、オンライン申請を利用してペイジー納付を行う際、銀行側の機能としてクレジットカード連携が可能なネットバンキング等を利用すれば、間接的にカード決済の利便性を活用できる場合があります。
Q. 複数の登記を同時に申請すると安くなりますか?
基本的には「登記の数」だけ合算されます。ただし、「商号変更」と「目的変更」のように同一の区分(登録免許税法別表第一第24号(1)ナ)に属する事項を一度に申請する場合、合計で3万円の登録免許税で済むため、まとめて申請するほうが合理的です。
Q. 収入印紙はどこで購入するのが一番良いですか?
法務局内にある印紙販売所で購入するのが確実です。郵便局でも購入可能ですが、在庫状況によっては高額な印紙(5万円、10万円など)が置いていない場合があるため、事前に確認することをお勧めします。
まとめ|正確な計算がスムーズな登記の第一歩
登録免許税は、法人の状態を正しく公的に反映させるために避けて通れないコストです。
計算式自体はシンプルですが、「最低額の適用」や「管轄外移転の合算」など、特有のルールを正しく理解しておくことが、補正や却下といったトラブルを防ぐ鍵となります。本記事で紹介した一覧表や計算例を参考に、不備のない申請を目指してください。
※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、法的アドバイスを構成するものではありません。個別具体的な事案については、必ず管轄の法務局に相談するか、司法書士・弁護士等の専門家に依頼することをご検討ください。
