日本の平均給与・初任給・賃上げ 実態データ
日本の給与は、いくらが平均で、中央値とどれだけ違い、何によって差がつくのか——。 国税庁「民間給与実態統計調査」や厚労省の調査など公的データをもとに、 「平均給与・平均と中央値・男女別・雇用形態別・業種別・大卒初任給・2025春闘の賃上げ率」の7つの切り口でグラフとともに整理しました。 調査ごとに母集団・定義が異なるため、各数値は必ず調査名とあわせてご覧ください。 数字はすべて出典付きで、各調査の原典にもとづいています。
データ時点:2026-06-15|本ページは公開された複数の調査を整理した二次的なまとめです。
調査ごとに母集団・定義・調査時期が異なるため、異なる調査の数値を単純に比較・合成することはできません。 各数値は必ず調査名とあわせてご覧ください。横棒グラフは、単位が%のものはバーの塗りが割合を表し、件数・金額のものは最大値を基準とした項目間の相対表示です。
平均給与|478万円で過去最高
1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円(2024年分)で、前年比+3.9%。比較可能な範囲で過去最高となった。給与所得者数は6,077万人。
平均給与(年間)
478万円(2024年分)
1年を通じて勤務した給与所得者の平均。前年比+3.9%で過去最高。
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」(2024年分(令和7年9月公表))
給与所得者数
6,077万人
1年を通じて勤務した給与所得者の人数。
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」(2024年分(令和7年9月公表))
数字の読み解き
平均給与478万円は、あくまで「1年を通じて勤務した人」の平均だ。年の途中で就職・退職した人や、短時間勤務の人を含めると数字は変わる。賃上げの流れを受けて名目の平均額は伸びているが、物価上昇を差し引いた「実質」でみると伸びは緩やかになる点は、引用時に補足したいところだ。
478万円という「全体の平均」は、後のセクションで見るように、性別・雇用形態・業種によって大きく割れる。一つの平均値を自社の給与水準の根拠にする前に、自社が属する区分の数字まで降りて確認することをおすすめする。
平均と中央値|「平均以下」が6割
「平均」は一部の高所得層に引き上げられるため、多くの人の実感とズレる。中央値が取れる世帯所得でみると、平均536万円に対し中央値は410万円。平均所得を下回る世帯が61.9%を占める。
世帯所得の平均と中央値
1世帯あたりの所得(給与以外も含む)。平均と中央値の差は約126万円。
出典:厚生労働省「2024年(令和6年)国民生活基礎調査」(2023年の所得(令和6年調査))
平均所得を下回る世帯の割合
61.9%
全体の約6割
平均所得金額(536万円)に満たない世帯の割合。過半数が平均以下。
出典:厚生労働省「2024年(令和6年)国民生活基礎調査」(2023年の所得(令和6年調査))
数字の読み解き
ここで示すのは、国税庁の「給与」ではなく、厚生労働省の調査による「世帯所得」だ。給与(個人)の中央値は国税庁が公表していないため、平均と中央値を直接比べられる公的データとして世帯所得を用いている。指標が違う点は、引用時にあわせて示してほしい。
世帯所得では、平均536万円に対して中央値は410万円。その差は約126万円にのぼる。平均を押し上げているのは一部の高所得世帯で、実際には61.9%の世帯が平均を下回っている。「平均◯◯万円」という数字を“ふつうの水準”と受け取ると、実感から大きくズレることになる。
個人の給与でも構図は同じだ。国税庁の平均給与478万円も、分布が高所得側に歪むため、中央値はこれより低くなると考えられる。自社の給与設計や「世間並みかどうか」の判断は、平均だけでなく、中央値や分布まで見て行うのが安全だ。
男女差|男性587万円・女性333万円
平均給与は男性587万円、女性333万円で、その差は約254万円。前年比の伸びは女性(+5.5%)が男性(+3.2%)を上回ったが、絶対額の差は依然として大きい。
男女別の平均給与
前年比は男性+3.2%、女性+5.5%。
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」(2024年分(令和7年9月公表))
数字の読み解き
男女差の背景には、勤続年数や役職、フルタイムと短時間勤務の構成比の違いなど複数の要因が絡む。単純に「同じ仕事で1.8倍の差」というわけではない。ただ、伸び率では女性が男性を上回っており、差は少しずつ縮む方向にある。
雇用形態差|正社員545万円・正社員以外206万円
正社員の平均給与は545万円、正社員以外は206万円で、その差は約2.6倍。雇用形態による開きは、男女差よりも大きい。
雇用形態別の平均給与
両者の差は約2.6倍。
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」(2024年分(令和7年9月公表))
数字の読み解き
正社員と正社員以外で約2.6倍。これは労働時間や仕事内容の違いを含んだ数字だが、それを踏まえても開きは大きい。採用や賃金設計を考える経営者にとっては、「どの雇用形態で人を入れるか」が人件費構造を大きく左右することを示すデータだ。
業種別|最高832万円・最低279万円
業種別の平均給与は、最も高い「電気・ガス・熱供給・水道」が832万円、最も低い「宿泊・飲食サービス」が279万円。業種間で約3倍の差がある。
業種別の平均給与(抜粋)
上位は電気・ガス・水道(832万円)、金融・保険(702万円)、情報通信(660万円)。最低は宿泊・飲食サービス(279万円)。
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」(2024年分(令和7年9月公表))
数字の読み解き
業種別の差は、性別・雇用形態よりさらに大きい。インフラや金融・情報通信といった装置産業・高付加価値産業が上位を占め、労働集約的なサービス業が下位に並ぶ。採用競争力を考えるうえで、「自社の業種の相場」を起点に給与を設計する必要があることを示している。
大卒初任給|24.8万円・企業規模で差
大学卒の初任給は24万8,300円(2024年)。企業規模別では大企業26.0万円・中企業24.6万円・小企業23.9万円で、規模が大きいほど高い。賃上げを背景に初任給は前年から大きく伸びている。
企業規模別の大卒初任給
企業規模別。大卒・男性の初任給は前年比+4.6%。
出典:厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査」(令和6年(2024年))
数字の読み解き
初任給は、ここ数年の人材獲得競争と賃上げの影響をもっとも受けている指標のひとつだ。大卒・男性の初任給は前年比+4.6%と大きく伸びた。中小企業にとっては、初任給の引き上げ競争に巻き込まれつつあり、採用時の提示水準が年々上がっている点を踏まえる必要がある。
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賃上げ率|2025春闘5.25%で34年ぶり高水準
2025年春闘の賃上げ率(連合最終集計・加重平均)は5.25%で、1991年以来34年ぶりの高水準。2年連続で5%を超えた。一方、300人未満の中小組合では4.65%と、規模間の差が残る。
2025春闘の賃上げ率
連合の最終集計。全体は34年ぶりの高水準で、2年連続の5%超。
出典:日本労働組合総連合会(連合)「2025春季生活闘争 最終回答集計結果」(2025年春闘(2025年7月最終集計))
数字の読み解き
5%超の賃上げが2年続いたことは、給与水準の「底上げ」が一過性でないことを示す。ただし中小(300人未満)は4.65%と、大手との差が残る。人を採り、定着させる側の中小企業にとっては、初任給と既存社員の賃金をどう引き上げていくかが、採用競争力の維持に直結するフェーズに入っている。
このデータが示すこと
- 1
平均給与は478万円、でも「中央値」はもっと低い
2年続いた賃上げで名目の平均給与は478万円と過去最高に。ただし平均は高所得層に引き上げられる。中央値が取れる世帯所得では平均536万円に対し中央値410万円で、61.9%が平均以下。「平均」を“ふつう”と思うと実感とズレる。
- 2
「平均」は区分で大きく割れる
男女(587万円/333万円)、雇用形態(正社員545万円/正社員以外206万円)、業種(最高832万円/最低279万円)で差は大きい。自社が属する区分の数字まで降りて見る必要がある。
- 3
採用は「初任給・賃上げ競争」のフェーズへ
大卒初任給24.8万円、2025春闘の賃上げ率5.25%(中小4.65%)。中小企業にも引き上げ圧力が強まり、提示水準は採用競争力に直結している。
関連データ
日本のフリーランス・副業 実態データ
人口1,303万人・経済規模20.3兆円・収入の分布を、公開調査から出典付き・グラフ付きで整理しています。
出典一覧
本データの引用について
本ページの数値は、出典として記載した各調査を引用・整理したものです。引用される際は、本来の調査名(一次出典)を明記してください。 なお各数値の正確な定義・対象は、必ず各調査の原典をご確認ください。本ページは公開データをまとめた二次的な資料であり、独自調査ではありません。