補助金・助成金 一覧 2026|中小企業・個人事業主・創業者が使える主要10制度
「設立資金で手一杯。事業を伸ばす余力がない」「IT投資をしたいけど、月数十万のコストは厳しい」——設立前・設立直後の経営者の多くが抱える悩みです。
しかし日本には、起業フェーズや中小企業向けに返済不要の補助金・助成金が多数用意されています。活用すれば、設備投資・IT導入・販路開拓・人材採用の自己負担を大幅に圧縮可能です。
本記事では、2026年現在の主要な補助金・助成金10選を、設立前→設立直後→中小企業のフェーズ別に整理し、申請のコツと活用できるツール・サービスまでまとめました。
まず自分に合う制度を手早く探したい方は、補助金・助成金ファインダーで、フェーズ・目的・事業形態の3つの質問に答えると候補を絞り込めます。
補助金・助成金・融資の違いと使い分け
3つの資金調達手段の基本比較
起業フェーズで利用できる公的資金には補助金・助成金・融資の3種類があります。それぞれの性格を理解した上で、自社のフェーズに合わせて組み合わせるのが王道です。
| 項目 | 補助金 | 助成金 | 融資 |
|---|---|---|---|
| 主な所管 | 経産省・中小企業庁 | 厚労省 | 日本政策金融公庫・銀行 |
| 返済 | 不要 | 不要 | 必要(+利息) |
| 受給確実性 | 採択審査あり(30-60%) | 要件満足で受給可 | 審査あり |
| 支給タイミング | 事業完了後の精算払い | 事業実施後 | 契約後すぐ |
| 用途制限 | 事業目的に沿った費用のみ | 雇用関係の費用 | 事業全般 |
| 向いている用途 | IT導入・設備投資・販路開拓 | 採用・賃上げ・働き方改革 | 運転資金・初期投資 |
3つの組み合わせ戦略
設立直後の経営者には、以下の三段ロケットがおすすめです。
- Step 1: 日本政策金融公庫の創業融資で初期資金を確保(設立前後で申請可)
- Step 2: IT導入補助金等で必要な IT投資を実施(融資・自己資金で先行支出、後で補助金で精算)
- Step 3: 1人目雇用時にキャリアアップ助成金等で人件費を圧縮
フェーズ別に見る活用優先順位
設立フェーズ × 補助金マトリクス
- ・日本政策金融公庫 創業融資
- ・創業助成金(東京都ほか)
- ・地域別創業支援補助金
- ・IT導入補助金 2026
- ・小規模事業者持続化補助金
- ・創業助成金(継続活用)
- ・ものづくり補助金
- ・事業再構築補助金
- ・業務改善助成金
- ・キャリアアップ助成金
- ・両立支援等助成金
主要補助金の最大支給額
中小企業向け主要補助金の最大支給額(2026年5月時点の公表情報ベース)。実際の支給額は事業内容・要件により変動します。
※ 青いバーは設立直後・小規模事業向けの補助金。グレーは中規模以上の事業向け。バー長さは対数スケールで表示しています(差が大きいため)。
① IT導入補助金 2026|中小企業のIT投資を最大450万円補助
概要
中小企業庁・中小機構が運営する、ITツール(クラウドサービス・ソフトウェア等)導入に対する補助金です。インボイス制度対応や電子帳簿保存法対応のクラウド会計、電子契約、勤怠管理などが対象です。
※ 本制度は2026年度(令和8年度)から「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更されています(補助内容は継続)。「IT導入補助金」は2025年度までの名称です。最新の公募要領は中小機構の公式サイトでご確認ください。
主な要件・支給額
- 対象: 中小企業・小規模事業者(個人事業主含む)
- 補助額: 最大 450万円(類型により異なる)
- 補助率: 1/2〜3/4
- 申請時期: 通年(複数回の公募スケジュール)
- 対象経費: 認定ITツールのソフトウェア費・クラウド利用料(最大2年分)・導入関連費
向いている経営者
- インボイス対応の会計ソフトを導入したい設立直後の経営者
- 電子契約サービスを本格導入する中小企業
- クラウド勤怠・人事労務システムを使いたい従業員数 5名以上の事業者
② 小規模事業者持続化補助金|販路開拓に最大200万円
概要
商工会議所・商工会が窓口となり、小規模事業者の販路開拓・業務効率化を支援する補助金です。広告宣伝・WebサイトリニューアルやLP制作、印刷物・展示会出展費など、幅広い「販促」に使えるのが特徴です。
主な要件・支給額
- 対象: 小規模事業者(常時雇用者 5名以下のサービス業・20名以下の製造業など)
- 補助額: 最大 200万円(通常枠は50万円・特別枠は200万円)
- 補助率: 2/3
- 申請時期: 年に4-5回の公募
- 必要書類: 商工会議所・商工会の事業支援計画書(様式4)取得が必須
向いている経営者
- 新規Web集客でLP制作・Web広告を始めたい設立直後の事業者
- 展示会出展や印刷物による販路拡大を計画する小規模事業者
- 「インボイス特例」枠で最大250万円まで増額の可能性あり
③ ものづくり補助金|革新的設備投資に最大1,250万円
概要
中小企業庁が運営する、革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセス改善に対する補助金です。製造業向けの印象が強いですが、サービス業・IT受託・コンサル業など幅広い業種で活用されています。
主な要件・支給額
- 対象: 中小企業・小規模事業者
- 補助額: 最大 1,250万円(類型・従業員数による)
- 補助率: 1/2〜2/3
- 申請時期: 年に4回程度の公募
- 特徴: 設備投資を伴う事業計画が前提。賃上げ要件あり
向いている経営者
- サーバー機材・専用ソフトウェアなど100万円超の設備投資を計画する中小企業
- 新サービス開発のための試作・実証フェーズの研究開発投資
④ 事業再構築補助金|新規事業・業態転換に最大1.5億円
概要
新型コロナ後の経済構造変化に対応する事業再構築を支援する大型補助金です。新分野展開・業態転換・事業転換・業種転換など、大胆な経営判断を伴う事業に最大1.5億円まで補助されます。
主な要件・支給額
- 対象: 中小企業・中堅企業(売上減少要件あり)
- 補助額: 最大 1.5億円(通常枠・大規模賃金引上枠等)
- 補助率: 1/2〜3/4
- 申請時期: 年数回の公募
- 特徴: 認定経営革新等支援機関の確認・売上減少要件など、応募ハードル高め
向いている経営者
- 既存事業から新規分野に進出する設立3年目以降の中小企業
- 大型設備投資+雇用増を伴う成長戦略を持つ事業者
- 金融機関・認定支援機関とのコネクションがある経営者
⑤ 業務改善助成金|賃上げ+設備投資に最大600万円
概要
厚生労働省が運営する助成金で、最低賃金を一定以上引き上げた事業者に対し、その設備投資費の一部を補助します。賃上げと生産性向上を同時に進めたい中小企業向け。
主な要件・支給額
- 対象: 中小企業・小規模事業者(事業場内最低賃金1,000円未満等の要件)
- 補助額: 最大 600万円
- 補助率: 3/4〜9/10
- 申請時期: 通年(都道府県労働局)
- 特徴: 賃上げ + 設備投資のセット要件
向いている経営者
- パート・アルバイトの賃上げを計画している中小・小規模事業者
- 賃上げと同時にPOSレジ・業務システム導入を検討する事業者
⑥ キャリアアップ助成金|非正規→正規化で1人最大80万円
概要
厚生労働省の助成金で、有期雇用労働者・派遣労働者・パートタイム労働者などの非正規雇用者を正社員化することで支給されます。設立後の最初の正社員採用で活用しやすい代表格です。
主な要件・支給額
- 対象: 雇用保険適用事業所(法人・個人事業主問わず)
- 正社員化コース: 中小企業で1人あたり 40万円〜最大80万円(令和7年度改定後。対象者の区分により変動)
- 賃金規定等改定コース: 1人あたり 5万円〜
- 申請時期: 要件達成後6ヶ月以内に申請
- 特徴: 就業規則の整備・賃金規程変更が必要
向いている経営者
- 1人目の正社員雇用を予定する設立直後の経営者
- 業務委託メンバーを正社員化するスタートアップ
- パート・アルバイトを社員登用する中小企業
⑦ 創業助成金(東京都ほか)|設立前後の創業者に最大400万円
概要
東京都中小企業振興公社が運営する代表的な創業助成金です。創業5年以内の中小企業者を対象に、事業費の一部(賃借料・広告費・人件費等)を補助します。地方自治体にも類似の創業支援金が存在します。
主な要件・支給額(東京都の場合)
- 対象: 都内で創業予定の個人または創業後5年未満の中小企業者
- 補助額: 100万円〜最大400万円(事業費等で最大300万円+委託費で最大100万円)
- 補助率: 2/3
- 対象経費: 賃借料・広告費・器具備品購入費・産業財産権出願費・専門家謝礼等
- 申請時期: 年に複数回の公募(東京都の場合)
向いている経営者
- 都内で創業準備中の個人事業主
- 創業5年以内で本格的なオフィス賃借・Web広告投資を計画する設立直後の経営者
⑧ 地域別創業支援補助金|地方自治体の独自支援
概要
各都道府県・市区町村が独自に運営する創業支援補助金が多数存在します。家賃補助・人件費補助・設備購入補助など、地域経済の活性化を目的とした手厚い支援が受けられる場合があります。
代表例
- 大阪府: スタートアップ支援補助金(最大100万円)
- 福岡市: 創業者向け各種補助・賃料補助
- 横浜市: 創業ステーション ファイナンスサポート
- 地方: UIJターン創業支援金(最大200万円、東京圏からの移住創業者向け)
調べ方
- 「(都道府県名 or 市区町村名) 創業 補助金」で検索
- 商工会議所・商工会の創業支援窓口に相談
- 独立行政法人中小企業基盤整備機構の「J-Net21」で全国検索
⑨ 日本政策金融公庫 創業融資|設立前後の資金調達に最大3,000万円
概要
補助金ではなく融資(返済必要)ですが、設立前後の資金調達では避けて通れない選択肢です。新規開業資金・新創業融資制度・女性、若者/シニア起業家支援資金など複数の制度があります。
主な要件・支給額
- 対象: 創業・新事業を始める個人事業主・法人
- 融資額: 最大 3,000万円(うち運転資金は1,500万円まで)
- 金利: 1〜2%台(時期により変動・信用保証協会経由よりも有利)
- 担保・保証人: 新創業融資制度なら原則不要
- 特徴: 事業計画書の質と「自己資金額」が審査の主軸
向いている経営者
- 設立前〜設立直後1年以内に、初期投資・運転資金を確保したい経営者
- 大手銀行から融資を受けにくい設立直後のフェーズ
- 自己資金は最低でも借入希望額の1/10以上(理想は1/3以上)用意できる方
⑩ 両立支援等助成金|育休・両立支援に最大100万円超
概要
厚生労働省の助成金で、従業員の育児休業取得・職場復帰支援・男性育休促進などを行った事業者に支給されます。複数コースがあり、複合的に受給可能。
主な要件・支給額
- 対象: 雇用保険適用事業所
- 出生時両立支援コース: 1人目 20〜40万円
- 育児休業等支援コース: 育休復帰支援プラン作成等で 20〜80万円
- 申請時期: 要件達成後、所定の期間内
向いている経営者
- 育休取得を促進したい中小企業の経営者
- 家族層の従業員が多い・採用力強化を狙う事業者
補助金採択率を上げる5つのコツ
主要補助金の採択率は年々低下しており、「申請すれば通る」時代ではなくなっています(最新の採択率は補助金の採択率データで整理しています)。採択率が下がるほど、差がつくのは事業計画の質です。
① 事業計画書の質を最優先
補助金審査の最重要要素は事業計画書です。「何を、なぜ、どのように、いつまでに行い、どんな成果を得るか」を数値・図表で具体的に示すことが採択の鍵。読み手(審査員)が3分で理解できる構成にすることが重要です。
② 認定経営革新等支援機関・商工会議所を活用
ものづくり補助金・事業再構築補助金などは認定経営革新等支援機関の確認が必須。小規模事業者持続化補助金は商工会議所の事業支援計画書が必須です。専門家のフィードバックを受けることで採択率が大幅に上がります。
③ 公募開始の3〜6ヶ月前から準備
公募開始から提出締切までは1〜2ヶ月程度しかありません。事業計画の骨子・必要書類の収集・支援機関との調整は3〜6ヶ月前から準備するのが王道です。
④ 過去の採択事例を徹底分析
各補助金の公式サイトには採択者一覧・採択事例が公開されています。自社と類似業種・規模の採択事例を分析し、共通する書き方や訴求ポイントを抽出してください。
⑤ 加点項目を漏れなく押さえる
多くの補助金には加点項目(賃上げ・パートナーシップ構築宣言・健康経営優良法人など)があります。本業の評価に加えて、これらの加点要素を計画書に盛り込むことで採択順位が上がります。
補助金活用に役立つツール・サービス まとめ
補助金申請・採択後の事業実施で活用できる、編集部おすすめのツール・サービスをまとめました。設立直後の経営者は特に、補助金とこれらのサービスを組み合わせることで、自己負担を最小化しつつ事業を立ち上げられます。
補助金活用と併せて使いたい無料ツール
- 法人化シミュレーター: 個人事業主が法人化すべきタイミングを試算。創業助成金の要件確認にも
- インボイス対応 請求書ジェネレーター: 補助金支給後の事業実施で必要な請求書を無料作成
- LPコンポーネントビルダー: 小規模事業者持続化補助金で取り組むWeb集客のLP制作に
- 業務委託契約書ジェネレーター: 業務委託先との契約を整備し、補助金経費の証憑として活用
- 消費税シミュレーター: 補助金収入の消費税課税関係を試算
個別補助金の詳細記事(深掘り)
- IT導入補助金 2026 完全ガイド: 中小企業のクラウド・SaaS導入に最大450万円補助
- 小規模事業者持続化補助金 2026 完全ガイド: 販路開拓に最大250万円(インボイス特例)
- 日本政策金融公庫 創業融資 完全ガイド 2026: 無担保・無保証人で最大3,000万円
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よくある質問(FAQ)
Q. 補助金と助成金の違いは何ですか?
補助金は経済産業省・中小企業庁が中心で、政策目的に沿った事業に対し競争的に支給される(採択審査あり)のに対し、助成金は厚生労働省が中心で、雇用関係の要件を満たせば原則受給できます。補助金は予算制で採択率に幅があり、助成金は要件満足型のため確実性が高めです。
Q. 設立前(個人事業主)でも補助金は使えますか?
はい、個人事業主でも多くの補助金が利用できます。小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金、ものづくり補助金などは法人・個人事業主を問わず対象です。一部「創業助成金」は設立前の準備段階での応募が可能です。
Q. 補助金は本当に「返さなくて良い」のですか?
原則として返済不要です。ただし「事業目的どおりに使用しなかった」「不正受給」「事業計画書と異なる用途で使った」場合は返還命令の対象となります。また、収益が大きく出た場合の収益納付ルールが課されることもあります。
Q. 採択率はどれくらいですか?
補助金により異なりますが、目安としてIT導入補助金は約50-60%、ものづくり補助金は約30-50%、事業再構築補助金は約30-40%です。事業計画書の質と要件適合性が採択率を大きく左右します。
Q. 補助金の申請は自分でできますか?
可能ですが、事業計画書の作成・要件確認・期限管理など事務負担が大きいため、初めての方は商工会議所・よろず支援拠点(無料)や、補助金申請支援サービス(融資代行プロ等)を活用する選択肢があります。採択率を上げたい場合は専門家のサポートが有効です。
Q. 補助金と融資はどう使い分けますか?
補助金は「特定の事業目的」に対する後払い(精算払い)が原則のため、まず自己資金や融資で支出した後に補助金で精算される流れです。設立直後で資金繰りが厳しい場合は、日本政策金融公庫の創業融資と補助金を組み合わせるのが王道です。
Q. いつ申請すべきですか?
補助金は公募期間が年に数回設定されています(IT導入補助金は通年、ものづくり補助金は年4回程度)。事業計画が固まった段階で公募スケジュールを確認し、3-6ヶ月前から準備を始めるのが理想です。助成金は要件を満たした事業者であれば随時申請可能です。
まとめ|「補助金×融資×ツール」の三段ロケットで起業を加速
設立前・設立直後・中小企業向けの補助金・助成金は、活用するか否かで自己負担が数十万〜数千万円変わります。特にICP「設立直後の経営者」にとっては、IT導入補助金・小規模事業者持続化補助金・キャリアアップ助成金の3つは確実に検討すべき選択肢です。
補助金は「採択後の事業実施」で初めて支給される後払い制度のため、日本政策金融公庫の創業融資との組み合わせが王道です。補助金の入金までに資金繰りが厳しくなる場合は、売掛債権を早期現金化できるファクタリングも選択肢に入ります。後払いの補助金を前提とした資金繰りの組み立て方は創業期の資金繰り改善ガイド 2026で詳しく解説しています。さらに、IT導入補助金対象のクラウドツール(freee会計・KANBEI SIGNなど)を活用すれば、月次の運用コストも圧縮できます。
最終的には、自社の事業フェーズと優先順位に合わせて、本記事で紹介した10種の補助金・助成金から1〜3個に絞って申請するのが現実的です。専門家サポート(融資代行プロ等)も活用し、採択率を最大化してください。
※ 本記事の数値・要件は2026年5月時点の公表情報をベースにしています。最新の正確な情報は必ず各補助金の公式サイトで確認してください。
